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最新記事【2006年07月30日】

 いずれも煎じて飲むのだが、患者の状態に合わせて使っていく。患者によっては鍼灸を施したり、ホメオパシーを併用する。そうしながら「気血」を整え体中にエネルギーを充たしていく。そうすることでガンに打ち勝つ体をつくっていくというものだ。

 さて、どのくらいの期間、治療をすれば治るのか。

「漢方を飲み、鍼灸をし、あるいはホメオパシーによる治療をしてどのくらいで治るかというのは非常に難しいですね。気血が整うまでとしか言いようがないですね」

 アレルギー疾患のようなものは比較的早期に治るが、東洋医学的にいうと、バランスを崩してかなり経ってから治療に来るので、ガンを治すことはそう簡単なことではない。

「その意味でも、バランスを崩したと自覚したら、すぐに来ていただきたいですね」

 しかし、人によっては自覚症状がまったく出ない人もいる。また、問題を抱えていても体表面 に出てこないよう抑え込んでしまう人もいる。

 体をできるだけ長持ちさせようと適応させた結果 そうなってしまうのだ。それでは治るものも治らなくなってしまう。微かなサインでも見逃さないことが大事という。

 これまで下谷医師はガン患者50〜60例は診てきているということだが、驚異的な例として、70代の膵臓ガン患者(男性)の事例を紹介していただいた。

「その患者さんは西洋医学の診察の結果、転移はしていないので手術を勧められたらしいのですが、どうしても手術はしたくないということで来られたのです。

 腹部にまできていて、触ってわかるほど大きくなっていました。直径7〜8センチはありましたね。治療を始めて1年ごとに写 真を撮っていますが、腫瘍の大きさは変わらないのですが、ご本人は元気に暮らしています」

 ガン治療には患者自身の努力も欠かせない。食事を工夫することで考えてもいなかった効果 も出てくるからだ。

「私どもには末期ガンの患者さんも来られます。ぜひ治してほしいと電話をかけたこられる方もいらっしゃいます。しかし、あまり過大な期待を抱かれると治療がやりにくいので、そういう場合はお断りすることもあります。

 ただ、たいていの方はご自分でもできるだけのことをしたいということで来られるので、良識をもって治療に当たっています」

じっくり話を聞くことが
治療の基本

「気血」の頑固な停滞がガンであるとするならば、その流れをスムーズにしてやることが健康体につながるわけだが、同クリニックでは実際にどのような治療が行われているのだろうか。

「私どもがやっているのは基本的には中国医学による薬草治療です。漢方薬を中心として、カウンセリング、ホメオパシー(同種療法)を併用した治療をしています。経絡治療が必要な患者さんには鍼灸をお勧めしています」

 経絡とは「気血」の通り道で、全身にくまなく張り巡らされている。その経絡上に存在している経穴(一般 的にはツボと言われている)に鍼治療を施すというものだ。

 下谷武志医師が治療に当たってとくに重点を置いているのがカウンセリングだ。

「どんな疾患であれ、その患者さんに合った治療をすることが大原則です。そのためには患者さんの体や心が発しているサインを見抜かなければなりません。

 じっくりお話をお聞きしますし、触診も欠かせません。そうしながら多くの治療方法の中からその人に合った治療をしていくわけです。まさにマッチングに尽きと思います」

 いろんな治療を併用しながら「気血」を整えていく。そうすることで滞った「気血」の流れをスムーズにしていくというものだ。

 この「気血」を整えるために、中医学では清熱解毒薬が使われているが、同クリニックで使っている代表的なものを上げてもらった。

1・白花蛇舌草
2・山慈姑
3・紫花地丁
4・土芹苓
5・秦皮
6・敗醤草

「中医学的な観点からすると、ガンは、気血の巡りが悪くなり、それが物質化したものという捉え方をしいます」

  こう言うのは、東京・吉祥寺にある吉祥寺中医クリニック院長の下谷武志医師だ。

「気血」とは何なのか。中国では古くから、すべての物質は「気」によって構成されていると考えられてきた。人間の体も例外ではなく、体の中には「気」があり、それは見えないもので、「エネルギー」とも呼ばれている。

「血」は脈内を流れる液体であり、西洋医学でいう動脈血と考えられていて、この「気」と「血」は相互に関係し合いながらが体内を流れている。

 この流れがスムースなときは健康だが、流れが滞ったときが病気なのだという。

「どうもガンというのは、『気』という目には見えないものが深くかかわっているような気がしますね。」

 では、どうやって「気血」の流れがスムーズであり、あるいはスムーズでないのがわかるのか。

「一緒にいて居心地のいい人と、あまりよくない人がいます。それは人間が自然に感ずるものです。その感ずる力を職業的に訓練をしただけです。

 さらには舌や脈を診て、お話をお聞きします。いわゆる中医学的な診断方法の「四診」(望・聞・問・切)を行うのです」

 同クリニックに来るガン患者は、「気血」のバランスを崩してからかなり長い時間が経った人が多いそうだ。

「西洋医学ではガンが見つかったときの病状はガンの始まりという感じですが、東洋医学的にいうと、バランスを崩してかなり経っている状態なんですね。最初から治療が困難な状態にあるので、ガンを治すのは非常に難しいんです」

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