アルツハイマー (10)
◆スポンサードリンク
とはいえ、痴ほう症の初期は記憶障害(物忘れ)だけが存在し、判断力が保たれている時期に限定されるため、家族すらおかしいと気づくことは少ないのが現状であることも覚えておこう。もし、アレッ? と思ったときには、表2を参考に症状を照らし合わせてみることをおすすめする。痴ほう症である可能性が感じられたらすぐ、しかるべき医療機関で診断と治療にあたり、その症状と経過を把握することが必要だ。
そしてもう1点大切なのが、介護者や家族の心の問題だ。痴ほう症の人に接する際には、①痴ほう症を理解して要求を高くしない ②徘徊、妄想、夜間の不眠といった痴ほう症に随伴する精神症状の予防と身体の管理 ③介護(福祉)サービスの利用 ④家族の協力、という4点が大切とされる。
この他にも「痴ほう症の人のペースに合わせる」「行動を妨げない」「自尊心を傷つけない」など、毎日の介護を担う家族のストレスや負担の軽減とは対極する事項が、痴ほう症への対応として上げられることが多い。
痴ほう症の介護者や家族は、社会福祉資源や介護保険を利用するだけでなく、痴ほう症状に適切な対応ができる情報を得て、自らの不安やストレスを取り除くことを心掛けるのが重要なポイントになってくる。
ついイライラして叱りつけることが多いと、痴ほう症に随伴する精神症状が現れる引き金となりやすい。痴ほう症の人はすべての行動や動作に介護が必要なわけではない。ちょっとした手助けをするつもりで接していれば、家族のストレスも軽減されるだろう。
そして話が通じないからと、コミュニケーションを怠るのも、痴ほう症の人との関係を悪化させる。コミュニケーションは言葉だけではなく、優しいしぐさや温かい眼差しでも心が和むもの。声をかけられるだけでニコニコとする痴ほう症の人も多く、そうした反応が介護者や家族のストレスの軽減につながるにちがいない。